高知県にある鰹節の竹内商店を訪問し、鰹節の製造工程を見学させて頂きました。
今回は、本枯れ節が出来るまで。
鰹節と言ってもいろいろあるのですが、最も手間と時間をかけた最高級のものが本枯れ節です。
最初に、鰹をおろして釜で煮ます。
その後、骨を取り除き、燻しながら乾燥していきます。「焙乾」という工程になります。
乾燥室は地下から焚き火をして燻していきます。木材はナラの木。地域によって使用する木材が違うそうです。
焚き火の上に、1階から5階まで鰹が並んでいます。5階と言っても、3階建てくらいの高さに下から5段階の部屋になっています。
1階の方が火に近いため温度が高く、最初は一階から燻し始め、段階的に鰹を上の階に移動していきます。だんだん火から遠ざける感じでしょうか。
温度が違うため、燻す期間も各階違って、1階部分で1日〜2日。上に行くほど長くなり4階では1週間くらいになります。
大きさも違うので、乾燥具合を見極めながら、階数を変えて調整していきます。
燻す工程は、途中休ませる期間も含め、2ヶ月ぐらいです。下の写真は鰹の片身です。乾燥して、ここまで小さくなってしまいます。
乾燥が終えると、次はカビ付けし、天日干しをします。
ちなみに、乾燥が終えたものが、写真上の「荒節」です。花かつおは、荒節の表面を削り、形を整えたものを削ったものになります。一般的にパックに入って売られている殆どは、カビ付けされる前のこのタイプになります。
荒節の表面のタールを削り、形を整えたものにカビ付けし天日干しするのが、「枯れ節」です。
更に、カビ付けと天日干しを4回以上繰り返し、熟成させたものを「本枯れ節」と言います。
上の写真がカビ付け中の写真です。カビ付けは、専用の部屋があり、中には入れないので、窓越しに撮っています。反射して見にくいですが、中に鰹が並んでいます。
2週間ほどの期間、この部屋で鰹節菌を付けて繁殖させます。
室温は28〜30度、湿度が80〜90%。
こちらでは、鰹節菌はにんべんさんから買うんだそうですが、自然の鰹節菌(蔵付きのカビ)を使う店もあるそうです。
カビ付けの後、2ヶ月間天日干しをして、休ませるを繰り返し、本枯れ節が出来上がります。
こうして加工開始から、約6ヶ月位かかり、本枯れ節が出来上がります。
写真左が完成品。削らせてもらって試食(写真右)
香り、口溶け、最高です。
島田 歩