店内入ってすぐ右側にひときわオーラを放つテーブル席があります。このテーブルは洋服店時代に作業台として使われていたものです。
厚みのある無垢材で使い込まれた作業台を妻が「カウンターとかに出来ないかな」と言う言葉から始まりました。実際はカウンターには長さが足りなかったので、テーブルとなりました。
そして、以前から親しくさせて頂いている木漆作家の工藤茂喜さんが、先代から使われていた道具を、形を変え再利用して行くことに共感してくれ、「開店祝いに漆を塗ってあげる」と言うことになったのです。嬉しいですね。
下の写真が洋服店の時に50年以上使われていた作業台です。
50年以上使いこまれた作業台は目打ちの跡などもあり歪みもありましたが、同級生の岩木屋木工さんで表面を削ってもらうときれいな木目が出てきました。
下の写真が削った後です。
歪みや目打ちの跡などをきれいに削ってしまうことも出来たかもしれませんが、あえてそれらを残してもらいました。
歪みや傷は、工場などで正確に量産されるものとは違う、歴史や心地良さを感じるように思います。
そして漆を塗ることによって、完全に生まれ変わりました。
下の写真が漆を塗った後です。
右側の写真は木漆作家の工藤茂喜さん(黒いシャツの人)と自分(ピンクのシャツの人)です。工藤茂喜さんの話や発想は、興味深いものが多く話をしていて楽しいです。妄想力が豊かというか。何かを極めている人の話は勉強になりますよね。
形と役割を変え、代々受け継がれたものの一つです。
島田 歩